2024年から新NISAに移行します。現行NISAからは抜本的に制度が変わるため、どう効率的に活用するか考えておきたいものです。今回は、新NISAに向けてどうするか考えてみたいと思います。
新NISAのポイント
- 非課税保有期間の無期限化
- 口座開設期間の恒久化
- つみたて投資枠と、成長投資枠の併用が可能
- 年間投資枠の拡大(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:年間240万円、合計最大年間360万円まで投資が可能。)
- 非課税保有限度額は、全体で1,800万円。(成長投資枠は、1,200万円。また、枠の再利用が可能。)
ポイントは、1,800万円の非課税保有枠は再利用可能なこと。売却すれば枠は復活するため、1,800万円以上投資可能なのです。ただし、年間投資枠は再利用できません。売却分の投資枠が復活するのは売却した翌年のため、短期売買を繰り返すことはできない仕組みになっています。
投資移行プラン
MAX年間360万円まで投資できるため、MAXで投資し続けると、5年で枠を使い切ることになります。私はこれまで通り高配当株の株価下落時に購入するスタイルで、適度に売り買いしていくことで非課税枠をうまく使いたいと思っています。
成長投資枠は年間240万円、計1200万円まで利用可能であり、配当目的と売買目的でうまく枠を使い分けたいと思っています。
配当目的600万円、売買目的600万円とし、どのように置き換えると節税効果が大きいのかシミュレーションしてみました。
Aプラン:配当目的株を先に購入
配当目的株は利回り5%、売買目的株は利回り3%とし、売却は年間60〜120万円、利益は売買額の10%として計算しました。
まずは高配当株で足元を固めつつ、3年後からは値上がりを狙った売買目的株を追加していくパターン。10年での節税効果は、94.9万です。
Bプラン:売買目的株を先に購入
最初数年は、値上がりが期待できる売買目的株を中心に購入するパターン。売却目的が一旦600万円まで到達した時点で高配当株を購入していきます。節税効果は87.6万円となりました。
Cプラン:どちらも均等に購入
配当目的に120万円、売買目的に120万円と均等に入れていく作戦。2029年以降は、売買目的株のみに使用します。その場合の節税効果は、92.6万円でした。
単純計算では、配当目的株を早く購入し安定基盤作るAプランが節税効果は大きいです。
ただ売買目的株が1年毎に上手に売買できるとは限らないので、Cパターンで適度に値上がりしそうな株にも仕込んでおきながら売りタイミングを狙う方が、投資枠をうまく循環させることができそうです。
私の新NISA投資案
現在私の投資額はおおよそ以下です。
投資カテゴリ | 投資額 | 評価損益 |
---|---|---|
日本個別株 | 660万円 | +110万円 |
米国個別株 | 160万円 | -40万円 |
積み立てNISA | 120万円 | +25万円 |
投資信託 | 67万円 | +1.5万円 |
私は直近1年の投資成績は、実現益が約70万円、配当金は約15万円なので、実現益にかかる税金をうまく抑えていきたいところ。そのためには、最初数年は、保有中の高配当株を置き換えるのではなく、新規の値下がり中の高配当株を探す方が良さそうです。
現在保有中の高配当株は、東洋精糖、双日、神戸製鋼、武田薬品などですが、このあたりの株はかなり株価が上昇しており、新NISAに置き換えると、そのあと評価益がマイナスになる可能性がありそうです。
ソフトバンク、SBIホールディング、日本郵政、ゆうちょ銀行などは、まだ取得額と評価額の差が大きくなく評価額あたりの利回りが高いので、新規購入のキャッシュがない場合は置き換えてもよさそうです。
利回り | 取得額比 | 評価額比 |
---|---|---|
東洋精糖 | 11.47% | 6.46% |
双日 | 7.97% | 4.02% |
神戸製鋼 | 7.27% | 3.87% |
武田薬品 | 5.84% | 4.09% |
利回り | 取得額比 | 評価額比 |
---|---|---|
ソフトバンク | 5.84% | 5.64% |
SBIホールディング | 5.77% | 5.42% |
日本郵政 | 4.85% | 4.91% |
ゆうちょ銀行 | 4.85% | 4.45% |
もしくは、現在塩漬け中の株を置き換えるのも一手かもしれません。今年は最低でも確定益が40万円ほどになるので、-40万円分の塩漬け株を売却しそのままの金額で新NISA枠へ置き換え、塩漬け分が元値に戻るのを気長に待つものありかなと。そうすれば今年の利益にかかる税金を抑えられます。ただし、塩漬け株が今後も全く値上がりしない場合は無駄に非課税枠を埋めてしまうことになるので迷いどころ。
はっきりした新NISA投資プランを作成することは難しいですが、なんとなくの頭の整理はできました。
- 基本は高配当株の株価下落時に購入するスタイル
- 枠が余る場合は現在保有中の高配当株価を置き換え
- 場合によっては塩漬け株置き換えも検討
また、今回は成長投資枠について考えましたが、基本的にはつみたて投資枠にも2024年から全力投入していきたいです。今は株式市場に過熱感も感じるので適度に入れすぎないようにはしたいですが、適度に入れていきます💪
おわり。