Amazonで検索する

【第2世代 eVTOL】2030年代に向けて開発される中長距離飛行のeVTOL機

社会・経済

2020年代後半には、“第1世代”のeVTOL機による商用運行が世界各地で始まる見通しです。しかし、バッテリーを動力源とするeVTOL機には航続距離の制約があります。多くのバッテリーeVTOLは航続距離が約100キロメートルであり、使用用途が限られてしまいます。

そのような中、400キロメートル以上の距離を飛行できる“第2世代”のeVTOLの開発が進められています。航続距離が長いほどさまざまな用途が想定できるため、ビジネスチャンスも広がります。第2世代のeVTOLは2030年代の実用化を目指してさまざまな企業が開発を進めています。

中長距離の航続距離を実現するために、ガスタービンとバッテリーを組み合わせたハイブリッドeVTOLや、燃料電池を使用したeVTOL、水素燃料を使ったeVTOLなどの開発が進んでいます。今回の記事では、第2世代のeVTOLを開発している企業を紹介します。

Sponsored Link

HIEN Aero Technologies

HIEN Aero Technologiesは、法政大学発ベンチャーであり、2021年12月に設立された日本企業です。ガスタービン発電機とバッテリーを組み合わせたハイブリッドeVTOLを開発しており、物流や防災・防衛分野での活用を目指しています。

2024年3月には、ガスタービンによる発電を利用した無人大型eVTOL(HIEN Dr-One V2B)の地上試験を実施し、1分間の自立浮上に成功したことを発表しています。

創立してからたった3年で、日本初(世界で2番目)のガスタービンハイブリッドの浮上試験を成功させました。

公式サイト:
https://hien-aero.com/

 

Sponsored Link

 

Lyte Aviation

Lyte Aviationは、英国ロンドンを拠点とするスタートアップ企業で、ハイブリッド水素(燃料電池)eVTOLを開発しています。主な製品には、40人乗りの「SkyBus」と貨物用途の「SkyTruck」があります。

SkyBusは、都市内、都市間、地方間の移動を再定義することを目指しており、バスや列車の輸送を改革することを目指しています。一方、SkyTruckは、貨物の迅速な配送を可能にし、特にオフショア産業の時間制約の厳しい需要に対応するよう設計されています。

「LA-44 SkyBus」は、ターボプロップエンジンと燃料電池を組み合わせたハイブリッドeVTOLを開発しており、この機体は、航続距離が1000km、最高速度が時速300kmで、44人の乗客を運ぶことができます。

公式サイト:
– Pioneering 40-Seater eVTOL (lyteaviation.com)

 

Sponsored Link

 

AMSL Aero

AMSL Aeroは、オーストラリアの航空宇宙企業で、ゼロエミッションの長距離垂直離着陸機(VTOL)を設計・製造しています。彼らの主な製品である「Vertiia」は、水素燃料電池を動力源とするeVTOLです。

AMSL Aeroは、持続可能な航空エコシステムを形成し、医療搬送、消防、旅客、貨物のフライトを効率的かつ環境に優しい方法で提供することを目指しています。

Vertiiaは、最大5人乗りで、4人の乗客と1人のパイロットを乗せることができます。電気バッテリーのみで300kmの航続距離を持ち、水素燃料電池を使用した場合の航続距離は1000kmに達します。

公式サイト:
Home | AMSL Aero Pty Ltd

 

Sponsored Link

 

Joby Aviation

Joby Aviation(ジョビー・アビエーション)は、2009年設立で米国カリフォルニア州に本社を置くeVTOLを開発する会社です。

バッテリー電動のeVTOLに加え、水素燃料電池を使用したeVTOLを開発しており、2024年6月24日にカリフォルニア州マリーナで行われたテスト飛行で、523マイル(約841km)の飛行距離を達成しました。

Jobyの燃料電池eVTOLは、液体水素を最大40kg搭載できるタンクを備えており、これにより長距離の飛行が可能になります。この技術により、サンフランシスコからサンディエゴ、ボストンからボルチモア、ナッシュビルからニューオーリンズといった中距離の移動が、空港を利用せずに可能になると期待されています。

Joby Aviationは、バッテリー電動のエアタクシーの開発プログラムを成功させた経験を活かし、燃料電池技術を用いた地域間移動の実現を目指しています。また、Jobyの燃料電池システムは、同社の子会社であるH2FLYが設計・製造したもので、液体水素を電力、水、熱に変換します。

Joby Aviationは持続可能な航空移動の未来を切り開くために、燃料電池技術を積極的に活用しています。

公式サイト:
https://www.jobyaviation.com/

 

Sponsored Link

 

本田技研工業/Honda

Hondaは、1948年に創業された日本企業で、主に自動車、オートバイ、エンジンの製造で世界中で知られています。また、ロボット工学や航空事業など新しい分野にも積極的に進出しており、ビジネスジェット機「HondaJet」は、翼上部にエンジンを配置した設計により、騒音の低減や空力性能の向上を実現し、ビジネス航空市場で高い評価を受けています。

Hondaは、新たに開発する「Honda eVTOL」で、都市間の移動を革新することを目指しています。Honda eVTOLは、ガスタービン発電機とバッテリーを組み合わせたハイブリット式の動力システムを採用しています。同社が培ってきた航空エンジンの技術や電動化技術を活用し、安全性と信頼性を重視した設計を行っています。

Honda eVTOLは、パイロット1人と4人以上の乗員を乗せることができます。航続距離は400キロを目指しており、2030年代の実用化に向けて研究開発を進めています。

公式サイト:
https://global.honda/jp/

 

Sponsored Link

 

中長距離移動のeVTOLが登場すると、ビジネスジェット機よりもさらに空の移動が便利で身近なものになっていきます。2025年に実用化される遊覧飛行中心のeVTOLとは違い、新たなモビリティとして人々の生活を変えてくれるかもしれませんね。10年後を楽しみにしましょう!

タイトルとURLをコピーしました